第1章     応援を求めて・・・

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一応、父の考えはこうであった。 お金を持って謝りに行くのは私一人で十分だと言うのである。 直也さん側もお兄さんだけなのだから、 こちらも私一人でいいと言う理由である。 まあ、これならわからないでもない。 ただ、そのあとの言い分が納得できなかった。 やはり、今日子が可哀想だと言うのだ。 親としてもそんなことをさせたくないと言う。 同じ職場で働いていた今日子にそんなことをさせるのは酷だし、 それじゃあ、あまりにも今日子が惨めすぎると言う。 今日子はどんな顔をして会えばいいと言うんだ、 もし元同僚たちと廊下ですれ違いでもしたら直也君がしたことが バレてしまうことだってあるじゃないか、 そうだろ、だって今日子がいまさら会社にいるはずがないのに どうしてなんだろう?、何かあったのかな?って誰でも感づくだろ、 そんなことにでもなったらどうするんだ、 その時には今日子は元同僚にどんな顔をすればいいと言うんだ、 何て言い訳するんだ、 父はそう言うのである。
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