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だから、お前(私)一人で行けばいいと言う。
お前一人が頭を下げれば十分じゃないか、それで済む話じゃないか、と。
今日子まで下げる必要はない、
もう会社だって辞めてるんだから。
それに、お金を出すのはお前なんだから、と。
まあ、父ももっともらしいことは言ってきた。
いやぁ、お金を出す人が誰かということと結び付けてきたかぁ、と
思わないではなかった。
それはほんの一瞬だけど、理屈として上手いこと言ってくるなぁと
感心してしまう自分がいた。
それはこれまでも何度も味わってきているのと同じような感覚だ。
上手くすり替えられてる、
上手いことすり抜けられてる、そんな感覚だった。
私はいつもこんな感覚を覚えさせられてきた。
今もまた同じだ。
だけど、やはり腑に落ちない、どうしても納得できないものがある。
それは父に聞いてなおさら確固たるものにもなっていった。
私の中にあった感覚が
また同じようなものとして捉えていることがその裏付けになった。
私には、その裏付けを根拠に、
「私一人が頭を下げればいい、それで済む話って何?」
「なんでもお金を出すことにいいように結び付けないでよ!」
そんな怒りがフツフツと湧いてきていたのである。
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