第1章     応援を求めて・・・

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だから、お前(私)一人で行けばいいと言う。 お前一人が頭を下げれば十分じゃないか、それで済む話じゃないか、と。 今日子まで下げる必要はない、 もう会社だって辞めてるんだから。 それに、お金を出すのはお前なんだから、と。 まあ、父ももっともらしいことは言ってきた。 いやぁ、お金を出す人が誰かということと結び付けてきたかぁ、と 思わないではなかった。 それはほんの一瞬だけど、理屈として上手いこと言ってくるなぁと 感心してしまう自分がいた。 それはこれまでも何度も味わってきているのと同じような感覚だ。 上手くすり替えられてる、 上手いことすり抜けられてる、そんな感覚だった。 私はいつもこんな感覚を覚えさせられてきた。 今もまた同じだ。 だけど、やはり腑に落ちない、どうしても納得できないものがある。 それは父に聞いてなおさら確固たるものにもなっていった。 私の中にあった感覚が また同じようなものとして捉えていることがその裏付けになった。 私には、その裏付けを根拠に、 「私一人が頭を下げればいい、それで済む話って何?」 「なんでもお金を出すことにいいように結び付けないでよ!」 そんな怒りがフツフツと湧いてきていたのである。
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