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「それでですね」
課長さんが切り出してきた。
その言葉に、
ここからは具体的な事務処理を
詰めていくことが察せられた。
「はい」
私は答える。
姿勢を正すかのようにもう一度座り直した。
先ほどまでではないにせよ、
再度の緊張感である。
「どんな話をされれくるのだろうか?」
「どういうふうに話を持ってこられるつもりなのだろうか?」
私の頭は必死にそこのところを探っていた。
実のところ、
それが一番私たち側の知りたいところである。
私たちが喉から手が出るほど知りたいことである。
それは今すぐに聞きたい答えであった。
欲して止まない返答である。
私はこんな思いを抑えるのに懸命だった。
一応のところは直也さんから聞いてはいたものの、
私はそれを確固たるものとして自分の耳で聞きたかったのである。
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