第1章   素直に喜べない一つ目の理由

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直也さんの就職先が決まりそうだと、 今日子がこんなに喜んでいる。 そのことだけを考えれば「あぁ、 良かった」って思う。 今日子はある日突然ショックを与えられ、 その日から生活が一変し、 それに耐え、 今、 それを乗り越えようとしている。 そんな今日子が久しぶりに嬉しそうにしている。 そのことには、 素直に「良かったな」って感じる。 だけど、 そう思う一方で私には 少しばかりの心配が過ぎっていたのである。 あと少し、 素直に喜んであげられない、 私の心はそんなふうだったのである。
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