第1章    疑心暗鬼

3/8
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
母からの返事、 たったそのひと言に ものすごい緊張をする私がいる。 「一緒に買い物行かないっ!?、 行こうよ」って、 こんな言葉を投げかけるにもかなりの勇気が要るのだが、 その返事を待つのもかなりのドキドキを伴う。 「私と行くのは嫌なのかな、 行きたくないのかな」 「私とよりも今日子と行きたいんだろうな、 その方が楽しいんだろうな、 その方がいいのになって思っているんだろうな」 「きっと、 行きたくないんだろうな、 それで言い訳考えているんだろうな」 たった数秒の間に、 私はここまで考えてしまうのである。 怖さとものすごい遠慮の気持ちが瞬く間に膨れ上がってくる。 そんな被害妄想とも言えるようなことばかりが 私の中を巡って、 掻き乱す。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!