第1章    突然の祖母との永遠の別れ

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私がそう答えると、 祖母は優しく笑った。 その笑顔はとてもとても穏やかだった。 そして、 茂子だと思っている私の手を繋ごうとする。 祖母は私の手を引いて、 また小さい頃よく遊んだ 浜辺へ行こうとするのであった。 その祖母の手はもうか細くて・・・ そんな祖母の姿に何度、 涙したことだろうか。 祖母と茂子として話している時には 決して見せなかった涙であるが、 ちょっと祖母が目線をそらした時や、 夫と話を始めたときには 祖母にわからないように顔をあちらに向けて そっと涙を拭ったものである。 そしてまたこちらを向いて、 祖母の手を取ると、 ニコッと笑う祖母の顔は 祖母の着ていたパジャマの色と合わせて 私の脳裏に焼き付いている。 祖母はとても愛おしく、 可愛らしかった。
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