妄想は、自滅なり。

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「水筒に混ぜたのか?あいつらもどこに盛ったかまでは知らねぇみてぇだったし」 あいつら、というのは勿論マッチョ達のことで。 そうか。 あの程度の奴らじゃ、二人いたって先輩には勝てないのか。 これは次の作戦の良い材料になる。 先輩を襲う時は、三人以上で襲いましょう。 いや、四人か? そんなにマッチョいるかな。 「…………相変わらず、こんな時でも妄想かよてめぇは」 心底恨んでいるような視線を投げ付けながら、先輩はおもむろに自分の制服のネクタイを解き始めた。 そのネクタイをどうするんですか、なんて。 ちょっと考えたくないんですけど。 だって。 腐男子の俺にはもう、そのネクタイの使い道が一つしか思い浮かばないんだよ。 皆、分かる? これ、両腕拘束する為の道具になるんだぜ? 何の為に拘束するかって? っ馬鹿ヤロウ!ンなもん、基本じゃねぇか!! 無理やり犯す時に使うんだよ! もしくは、そういうプレイを恋人同士がやる時に使うんだっつーの! 今はどっちかって? アホか!!前者に決まってんだろが!!!!! 「帰ります、俺!!!」 勢いよく飛び起きたまま、一気に入り口へ向かって走り出す。 足は早い方だと思うんだ。 運動神経だっていいし、そんじょそこいらの奴になんて、絶対に腕を拘束されたりしない。 どっちかっつーと、拘束するタイプの方だよね、俺? でも。 まぁ。 長い人生、上には上がいるんだってさ。 笑えねぇ。
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