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「…ところで、聖華。
あんた祐二と別れたってホント?」
「もう、いつの話してんのよ。」
私は電話で聞いて知っていたけど、それもまだ3週間前の事だったはずなんだけど。
聖華らしいというか、もう吹っ切れているみたい。
「あんな優柔不断な奴、思い出したくもないわ。
のんこそバイトの先輩はどうなったのよ。」
「それこそ、いつの話よ。
あのコンビニ辞めて、携帯の販売員やって…、
あれはキツかったわ。
で、今はファミレスのフロア。
アイコはバーガーマスターまだ続いてるの?」
「今日もシフト入ってたけど、早上がりさせてもらったの。」
「いいオトコいる?」
「無理無理、アイコは例の“しんちゃんの呪縛”から逃れられないんだから。」
「そんなことないわよ。」
「じゃあ誰かいるの?」
「それは…」
「じゃさ、
“なんとなくいいな”ってのぐらいならいるんじゃないの。」
「それがね。」
「ま、アイコらしくていいか。」
「そうそう、うちらそんなアイコのこと嫌いじゃないよ。」
「またそんなこと言って。」
まあ、いつもこの調子でからかわれるけど、ふたりともあたしにとっては頼りになる存在だから安心して一緒にいられる。
「それより、晴香のこと聞いた?…」
また知り合いのゴシップネタに戻ったりした。
入店から30分ほど経って、のんがトイレに行ってる時、隣のテーブルに3人組の男が入った。
あたしと聖華はスマホのゲームの情報交換していたためあまり気にもしていなかった。
のんがトイレから帰って来たとき。
「あれ?中尾じゃん。」
隣のテーブルのひとりがのんに話しかけた。
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