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顔を覗き込んで囁けば、顔を赤らめた楽人がそれでも止めないとばかりに首を振った。
「頑張るじゃん…」
「平気だもん…ン…」
唇を吸い、楽人が自分から出してきた舌先を舐めてやると、ピクンと肩先が震えた。
「もっと…舌出して見ろよ」
「んっ……んぅっ……んん」
戸惑いがちに挿しだしてきた舌を、思い切り吸い上げてからしゃぶるように甘噛みした。
家が離婚騒動で荒れてた頃。帰るのが嫌で夜の繁華街をふらついてたとき、宗助は見知らぬ女性に誘われて、数回ホテルに行ったことがあった。「キミ可愛いからいっぱい教えてあげる」 と、言葉通りいろんなコトを教えてくれたヒトも、今じゃ名前も覚えてない。いかにも水商売、しかも風俗っぽい雰囲気のヒトだった。かなり派手な美人でスタイルも良く、その店のナンバーワンだと言っていたが、どことなく寂しそうな目をしていたことだけは覚えている。
そんな経緯で覚えた手管を楽人に施すのは気が引けたが、今は快感を与えてやりたい欲望の方が上だった。
「ァ…はぁ…ぁ…」
トロリと溶けた楽人の眼差し。清潔な顔立ちも、表情によってはこうもエロティックになるのかと見惚れてしまう。
楽人の濡れた唇が僅かに動く。
「ん?」
「今の…もっと…して?」
「っ…」
掠れた声で甘くねだる楽人は堪らなく淫靡で、男の性を吸い尽くす妖女のような艶かしさがあった。
「キス…気に入った?」
「うん…他にも…いっぱい…んっ」
夢見心地のような楽人の囁きは、直接宗助の腰を刺激した。堪らず口づけ、口腔を貪りながら下肢をまさぐる。
「んっ…んっ…んんんっ」
「良いよ。何回でも、イッていいんだよ…楽人」
「あああぁっんっ…あんっ…あっ」
手の中で楽人が弾けた。
そのままヌルついた指先で奥の入り口を軽く撫でた。
「あっ…」
(あっ…)
楽人は触られたことに、宗助は触ったものに驚き、二人とも一瞬、動きが止まる。
「いいの。宗ちゃん…気にしなくていいの」
(楽人?)
無意識に体を離そうとした宗助に、楽人がしがみついてくる。
宗助は楽人に微笑み、大丈夫だよと腕を解いた。
(あの時の傷跡が…残ってる?)
奥の窄まりに寄せられた襞のひとつが盛り上がり、硬く腫れたようになっていた。
(楽人…)
無理のない程度に足を開かせ、楽人が恥ずかしくないよう布団の中でそっとそこを舐めてみた。
「んっ…あっ…ああっ」
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