第一章

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(あの頃は若かったなぁ…) …なんて。 やっと恋に気づいて4年。 実際は小学5年生ぐらいだったはずだから7年目か、片思いは。 いまだに彼との二人きりは耐えられないし、緊張してしまう。 “のんびりしてたら誰かに取られるぞ、会長はモテ男だからな” ふと、同室者であり友人である奴の言葉を思い出す。 ここは初等部からある全寮制男子校なのだが、幼少期から男子に囲まれるという状況がいけないのか同性愛に目覚めてしまうものが多いのだ。 自分も初等部から通っているのだが偏見がまったくなくなった。というか自分も染められてしまったのと同じものか。 同性愛といっても自分の場合は同性同士でなんやかんやするのであったら恭弥しか受け付けないが。 完全にホモになったわけではない。自分は女の子が好きな自信がある。いや、むしろ好きだ。 まぁ、その学園の現在生徒会長でもある恭弥は同性愛という習性をなんなく受け入れバイセクシャルとなった。 だから性欲のはけ口は男にもいくということでたまにお気に入りを見つけると抱いているようだ。 さらに恭弥は恐ろしく顔がよい。長いこと幼馴染として彼のそばにいるがいまだに彼の顔にはひいき目なしで見惚れるほどだ。 高校生になってから彼はさらに男らしくなり周りの生徒から騒がれている。 主に可愛い雰囲気を持つ男の子たち(自分はチワワと呼んでいる)にだ。 会長はバイということで自分を抱いてほしいという生徒も多数いるが、彼を本気に好きになり告白する生徒もいる。 まだ恭弥と付き合った生徒はいないがいつできてもおかしくないと自分は思っている。 本当にいつか彼を取られてしまう。 だが、告白する勇気がでないのだ。振られてしまうと彼のそばにいられなくなるという恐れがあるからか、とにかくチキンな自分の性格が恨めしい。
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