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「っ、…つかれた…」
深いため息をして風紀室においてあるソファに腰をかける。
「ふは、まじで疲れてんな」
「いや、だって俺が担当したクラスにあの子がいるんですから」
そりゃメンタル削られますよ、とそっぽを向く。
「ははっ、それは運が悪かったな」
俺の頭をぐしゃぐしゃと撫でながら楽しそうに笑う。
なんでそんなに楽しそうなんだよ。
「…それにしても…水元」
急に委員長が声色を変えて真剣にこちらに顔を向け、また口を開いた。
「大丈夫か…?東雲のこと」
思わず口を噤んでしまう。
「…大丈夫、です。恭弥が呼びすてにしたことも笑ったこともあんまし気にしていないので…」
「庵」
「…はぁ…ほんとに大丈夫だよ、洋介」
この風紀室には他のメンバーがまだだれも帰ってきてないので俺たち2人しかいない。
俺と風紀委員長、洋介は下の名前で呼び合っているが付き合っているとかそういうわけではなく、昔からの馴染みだ。恭弥も合わせて。
俺と恭弥は初等部に入る前からの幼馴染だが、洋介は初等部からの仲だ。
洋介と恭弥は俺のひとつ上で、犬猿の仲らしい。
毎回なにかしら勝負をふっかけては喧嘩をし、先生とか両親とかに怒られていた事が懐かしい。
高校生になったら2人は堂々と学園のトップをとり、さすがに俺も先輩として見ることもありできるだけ周りに人がいる時は敬語を使うようにしている。
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