第一章

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コンコン 「失礼します。風紀委員の水元です」 生徒会室のドアをノックして中に声をかけるが、反応がない。 「入るよ?」 そっと中を覗いてみると案の定誰もいないようだ。 「食堂かなぁ…ちょうどお昼時だし」 入学式が終わった後の生徒の誘導で時間を気にする暇がなかったため、今やっと時間を確認する。 (そういえば…お腹空いてきた…) 恭弥の机に書類を置き、書類の報告ついでに食堂でお昼ごはんをとることにし、生徒会室を出る。 (それにしても…あの新入生の子は大丈夫なのかな…人が多い前で生徒会と関わってしまって…) あとから考えるとあの行動はあの子にとって今後この学園で過ごしにくいだろう。 一応あとで委員長にいっておかなければ。 黙々と歩いていると食堂近くまできたようだ。 (…なにか。騒がしい…?) 食堂だから人が多いのは当たり前なのだがいつもよりも集まり方が違う。 ふと周りの生徒の会話を聞いてみると、 「生徒会メンバーが食堂であの新入生の子と喋ってるんだって!」 「えー、やばくね?親衛隊もいるんだろ?」 やばい。 多分"あの新入生"とは入学式で恭弥に起こされた子だろう。 そんな事があった後にまた人の多いところで次は生徒会全員が関わろうというのならあの新入生は大丈夫なのか。 親衛隊が必ず動くはず。 咄嗟に委員長にメールをし、食堂へと足を踏み入れた。
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