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「三木、菅野。なにやって…」
「ごめ…庵」
「ごめんね、庵ちゃん…会長達止められなくて…」
自分が近づくと、三木はしゅん、と落ち込んでいるようだ。
菅野も大きな目に涙をためていまにも泣きそうな顔をしている。
「や、いいよ。止めようとしてくれてありがとう」
この2人は普段暇な時間がある時に一緒にお茶を飲んだりするお茶仲間で自分の相談なども聞いたりしてくれる友人である。
「それより…今すぐ食堂から生徒会の皆を…、っ!?」
話をしながら目線を三木と菅野からはなし、会長達に向けた時。
会長と転入生の子が、
キスをしていた。
「…な、」
こんなところで、生徒が沢山いる中で、そんな事をしたら食堂が大混乱になるではないか。
だから、今すぐ止めて生徒達にひとまず寮に戻ってもらうように指示をしなければならない。
のに。
自分はその場から目をそらして、動くことができなかった。
食堂内は生徒達の悲鳴などが響き、すごく騒がしくなっている。
そのはずなのにその声がとても遠くに聞こえる。
その時。
「風紀委員だ!!今すぐ生徒達は寮に戻れ!!」
風紀委員長の指示の声が聞こえた。
「あ、委員長…」
「水元。お前もいったん寮に戻れ」
「…すいません」
委員長に一礼をして自分も他の生徒と共に寮に戻った。
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