第一章

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side.洋介 生徒会長が新入生に向けて挨拶をしている間とくに風紀委員に指示をだすことはないのでぼんやりと壁にもたれながら隣に立っている風紀委員、水元 庵 (みずもと いおり)に目をやる。 先ほどこいつが風紀委員は美形ばかりだから肩身がせまいとかなんとか言っていたがはっきり言って 「なに言ってんだ、お前」 こいつの発言が理解できなさすぎて目を見開く。 「なにって…委員長は美形だからいいじゃないですか。こっちは平凡で地味な顔をしてるんですから美形ばっかに囲まれてメンタルにくるんですよ」 今も隣に並んでるだけでくじけそうですけどね。といやみったらしくため息をつかれた。 「平凡で…地味?…お前の顔が?」 「そうですがなにか。もうこれ以上人の傷口に塩を塗らないでください」 水元はそう言ってそっぽ向いてしまった。 「……あ、」 そうだ、こいつ。自分の容姿に無自覚だった。忘れてた。 「ありえねぇ…」 これほどの容姿をしときながらなぜ無自覚でいられる。意味わからん。
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