第1話

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 次の客は15分後のようだ。  徐に視線を窓の外に向けた……が、直ぐに後悔した。 「あ!今私と目が合ったかも!!」 「えー?気のせいじゃないのー?こっちを見てたのは確かみたいだけど」 「なかなか笑顔見せてくれないけどさぁ、そこがまたクールな王子様って感じでいいんだよね~」  店に入るでもなく、 外から中の様子を覗く若い女が数人、 興奮気味に声を上げた。  俺は顔には出すまいと冷静さを保つが、 どうしても眉間に皺が寄る。  そこをキュッと指先で押して引っ込めた。 (……休憩するか)  その視線から逃れるように、奥の部屋へ向かう。 「邦久。少し時間が空いたから休憩してくる」 「ん?……ああ、分かった」  外の異変に気付いたのか、邦久が苦笑いしながら頷いた。  と、その時、  カラカラン…―― と、入口の扉が開く合図の音(ネ)が鳴った。
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