prologue

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許しを請う声音は 静寂に包まれた聖堂の中 弱々しくもどこか官能的に響き渡る。 「罪を認め悔い改めるか!」 いつからか気づいてた。 そんな僕の声に反応し 父の手に徐々に力がこもるのも――。 「祈りなさいルカ。祈るんだ」 振り下ろされる鞭の音を聞きながら。 「ああ――神の母聖マリア私の罪をお許し下さい……私も人を許します。そして私たち罪人の為に今も死を迎える時もお祈り下さい」 言われたとおり 痛みで震える両手を組み合わせ 僕は祈りの言葉を捧げる。
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