卒業。

3/14
前へ
/744ページ
次へ
さいちゃんとは高校も一緒だし、中学で思い残すこともない。 別に悲しくもないし涙もない。 けど、証書を貰うために壇上に上がったときに見てしまった。 ママが泣き、パパがなだめてる姿。 その横で、微笑むお兄ちゃん。 いつもなら、なんて事ない光景だけど、今日は違って見えた。 『パパとママと…フィアンセ?』 ガタガタ…ドタッ 階段を降りそびれて、派手に転けた。 しんみりが一気に爆笑に変わった。 「ご、ごめんなさい…。」 席に戻り、小さな声でつぶやいたら、再び笑われた。 退場するときにチラッとママをみたら、今度は笑いを堪えていた。 『ママ…ひどい。』 .
/744ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60人が本棚に入れています
本棚に追加