卒業。

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パパ達には先に帰って貰い、みやはいつものように咲花と帰ることにした。 「春休み、映画とか買い物とか行こうね。」 「そうだね。 宿題ないのは今だけだし、気楽に遊びたいもんね。」 「はい、みやちゃん、誕生日おめでとう。 明日だよね? 行きたいけど、明日は用事が出来ちゃって…ごめん。」 「いいよ、気にしなくて。 それより、プレゼントありがと。 さいちゃんの選ぶのって大好きなのが多いから楽しみ。」 「期待して開けてね! じゃあ、ステキな誕生日をねー。 バイバイ。」 「うん、バイバイ。」 手を振って別れてひとりで歩く。 「誕生日…かあ。」 自分の誕生日、毎年ワクワクしてた。 けど…、今は複雑。 お兄ちゃんと結婚して、 波能 みや になるんだ…。 お兄ちゃんと…。 お兄ちゃんと…。 なんか、実感ないし、わかんない。 第一、キスも手を繋ぐこともしたことないし…。 中学生の間に好きな人とか作って、キスとかしちゃえばよかったな。 そんな人が居たんだけど…。 そんなことを考えながら歩いたら、すでにウチの前。 玄関から入り、チラッと事務所を見たら、真剣に図面と向き合う晴人が見えた。 『なんか…カッコいいかも?』 .
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