卒業。

7/14
前へ
/744ページ
次へ
次の日。 朝からママが慌ただしく動き回っていた。 「ママ、おはよう。」 「おはよう、みや。 朝ごはん食べたら、ちゃんと卒業のご挨拶してね。 あと、誕生日もね。」 「はーい。」 ウチの決まり。 必ず仏壇のご先祖様に挨拶とご報告。 おばあちゃんが大好きだったから、ちっとも苦じゃない。 朝ごはんより先に仏壇の前に座った。 「おじいちゃん、おばあちゃん。 中学を卒業したよ。 今日で15になりました。」 『私…結婚するんだって。 おばあちゃんが生きてたら、喜んでくれた? 結婚のことは、よくわからない。 でも…決まりだから、逆らえないのかな? 私はお姫様でも何でもないのに。 逃げちゃいたい気分です。 おばあちゃん、見守ってね…。』 「みや、早く食べちゃいなさいよ。 さやはとっくに出かけたわよ。」 「ん?さや? いつから春休み?」 「今日が終了式だって。 張り切って学校行ったわよ。 みやも早く食べちゃってね。」 「はーい。」 5つ下の妹、さや。小学4年。 この春から5年生。 「小学生、春休みが少なくてかわいそう。」 そんなことを感じながら急いで朝ごはんを片付けた。 .
/744ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60人が本棚に入れています
本棚に追加