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お風呂のあと、一度は二階の自室に行ったが、喉が乾いたから再びキッチンに行った。
宴会は終わりを告げたようで、キッチンは特にしん…としていた。
カップにお茶を入れ、冷めるまで息を吹きかけゆっくりと飲む。
再び息を吹きかけていたら、声がした。
「みや…まだ起きてた?」
「うん。喉が乾いて。」
「俺も。なんか頂戴。」
ゆっくり近づいた晴人は、みやが持っていたカップを取り上げ、ぐいっと飲み干した。
「…美味しい。」
「まだ…飲む?」
「いい。
それよりみや、こっちに来て。」
手を引かれたのでそのままついていくと、和室に入っていった。
月明かりだけが降り注ぐ和室。
「き…キレイ。」
「みやでしょ?この位置に布団敷いたの。」
「うん。キレイだったからお兄ちゃんに見せたくて。」
「…晴人。」
「は…晴人…さん。」
「ま、いいか。
みや、君に渡したいものがある。」
晴人がポケットから出したのは、ドラマなどでよく見る、いかにも…の小さな箱。
「お…晴人さん、これ…。」
「指輪…だけど?」
「う、うん…。」
みやは、しばらくそのリングを見つめた。
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