春休み。

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ハンガーに掛けてあった制服を高校のと入れ替え、教科書も整理し…。 そんなのは、初日の数時間で終わりを告げた。 「はぁ…。退屈。」 春休み。 宿題も無いし、なんとなく…暇。 ベッドにごろんっと横になり、本棚を見つめる。 「そ、そういえば…。」 春から初夏まで使えそうな帽子を編んでみようと手芸本をパラパラめくる。 ヒラッ 何かが落ちた。 「これ…。」 浴衣で、何故か泣いている私の手を引いてる…晴人さん。 「夏祭り?って、なんで泣いたんだっけ?」 浴衣が少しはだけて、もう少しでパンツが…あれ?見えてる? そんな乱れた自分になんだか恥ずかしくなり、急いで本に挟んだ。 「本屋さんで探して…帰りに糸を買えばいいね。」 「出かけてきまーす。」 両親の行ってらっしゃいと共に聞こえた、晴人の気をつけて、の声にドキッとしながらも、急いで近くの大型ショッピングモールへ自転車を走らせた。 .
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