60人が本棚に入れています
本棚に追加
「ただいまー。
ママー、合格してたよぉ!」
「おかえり。
おめでとう、みや。
パパにも報告してきてね。
それから…。」
「分かってる。
先におじいちゃんとおばあちゃんに伝えるよ。」
みやは、リビングの隣にある畳の部屋をそっと開け、仏壇の前に座る。
「おじいちゃん、おばあちゃん。
みやは、高校に合格しました。
頑張るからね、応援してね。」
チーン…。
それから、バタバタとパパがいる事務所に向かう。
バタンッ
「パパー!
合格したよぉー。」
「おめでとう、みや。」
パパじゃない声に振り向くと、そこには良く知る人が座っていた。
「お兄ちゃん!」
波能 晴人(はの はると)。
パパの仕事を手伝ってる人。
みやが物心ついた時からいつも居るから、みやもお兄ちゃんと呼んで親しんでいた。
「お兄ちゃん、私、高校生になるよ。」
「そうだな。おめでとう、みや。」
「ありがとう、お兄ちゃん。」
続いて、隣のパパを見ると、なんだかすごくニコニコしている。
「パパ、みやが合格したの、そんなに嬉しい?」
「そりゃ、嬉しいよ。
みやは自慢の娘だ。
でも…今日は、もっと嬉しい話がある。」
「なあに?」
.
最初のコメントを投稿しよう!