60人が本棚に入れています
本棚に追加
このとき、聞き返さなかったら今ごろ、私の人生は変わってたのかな?
そのくらい、ビックリすることをパパはサラッと言った。
「みや、高校生になったら、結婚するんだよ。」
はい?
「け…結婚?誰と?」
「誰って、晴人くんと。」
「お、お兄ちゃんと?」
これ以上ムリってくらいに目を見開いて晴人を見る。
晴人は、少し赤い顔でニコニコしてみやを見ていた。
「お兄ちゃん…どうして?」
「みや、これは約束なんだ。
晴人くんは、みやが16歳になったら結婚すると、ずっと誰とも結婚しないで待っていたんだ。
みや、高校生になったら晴人くんと結婚しなさい。」
「16…。高校生だよ?
もう結婚?誰とも付き合ったことも、恋したことだってないのに、もう結婚?
あ、有り得ない!」
言いたいことをぶちまけて、みやはママのところへ行った。
「ママ、ママは知ってたの?
私が高校生になったら結婚って。
お兄ちゃんと結婚って。」
「知ってたわ。
パパと…晴人くんの約束だもの。
晴人くんは、ずっとこれまでパパを支えてくれたのよ。
だから」
「もういい!
そんなの聞きたくない!」
みやは、走って自室に飛び込み、ベッドに勢いよくダイブした。
.
最初のコメントを投稿しよう!