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いきなりのことにパニックになり、涙が止まらなかった。
これ以上出ない!ってくらいに泣いたあと、ふと思い出した。
『俺のお嫁さんになってね、みや。』
そういえば、良くそのセリフを聞いたな…。
あれ…ジョークじゃなかったんだ。
突っ伏していた顔を上げ、ベッドに座る。
「私…お兄ちゃんと…結婚?
波能 みや?
はの…みやになるの?
お兄ちゃん…いったい幾つなの?」
冷静になると、新たに湧いてくる疑問。
また、バタバタと事務所の扉を開けた。
「お兄ちゃん、いったい何歳なの?」
「結婚って聞いて…いきなりの質問がそれ?
みや…なんかズレてる。」
いきなり笑われた。
「だって、私が小さい時からお兄ちゃんは大人だったし。
私はまだ子どもだよ。
結婚とか…有り得なくない?」
「有り得る、そう思うよ。
俺はずっと、みやしか見てないし。
俺と結婚するのは、みやだって決めてたから。」
そう言いながら、ゆっくりと晴人が近づいてくる。
みやは、後ずさりしてみたが、すぐに壁にぶち当たった。
「みや…俺が…嫌い?」
ふとパパのデスクを見ると、パパのカバンが無く、外出したんだと分かった。
この空間に…二人だけ。
みやの心臓がドキリと跳ねた。
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