《12》

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  ずくん、と。 胸の中心に、楔を打たれたかのような痛みが走る。 そんな謝罪を与えられても、納得できない。 私は震えそうになる唇で、彼に反論した。 「……謝るなんて、ずるいわ」 ぐっと、拳を握る。 どこかに力を込めていないと、立っていられない。 「……そうだな。俺は、ずるいんだ」 力なく笑った佐川に、言い様のない気持ちがこみ上げてくる。 ずきずきと痛むのは胸? それとも頭? どこでもいい。どうでもいい。何でもいいから、だから。 この痛みを誰か、早く止めて。 .
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