《12》

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  「っ、謝られたって……!」 嬉しくないのよ、と言いたかったのに。 駄目だった。声が震えて、うまく出ない。 瞬きもできない。してしまえば、涙が溢れてしまいそうだから。 潤み切って滲む視界の中で、佐川は繰り返した。 「ああ。……悪かった」 彼の切ない表情に、心が壊れてしまいそう。 言葉が、見つからない。 佐川は欠片も、こちらを見ない。 それどころか、不必要なほど私から目を逸らしている。 ついには、くるりと背中を向けて私の腕を掴み、大通りまで引っ張られた。 何か言いたい。でも言えない。 こんな風に背を向けられるなんて、苦しくてたまらないのに。 .
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