君の全てが欲しいんだ。

転校生

言い忘れてたけど俺が通ってる高校は全国でも有名な進学校で男子校。
悠夜が通ってる高校は進学校でなおかつ金持ちしか入れない有名男子校。

悠夜は寮生活で、トップの成績で生徒会をしているから特別優遇ってやつを受けてるらしい。
だから寮に帰らずに俺と会ってホテルに泊まることもできる。
俺は普通に自宅から通ってる。

一応俺も成績がいいから生徒会に誘われたりしたけどめんどくさそうだから断った。

まぁ、ぐだぐだ言ったけどあれだ。
うちは有名進学校だからめったに転校生はこないってか入れないと思うんだけど今日転校生がくるらしい。
しかも俺のクラスに。
そこは別にいいんだけど…

「何で俺が転校生迎えに行かなきゃいけないんですかー」

ムスッと目の前にいる見るからにチャラいイケメン担任に愚痴る。
担任は橘夢人(ﾀﾁﾊﾞﾅ ﾑﾄ)25歳。

「まーまーいいじゃん。お前クラスで成績トップだし可愛いし」

かるーい調子で言ってプニプニと俺の頬をつつく担任の手を叩く。
可愛いってなんだよ。

「嫌です。めんどくさい」

眉を寄せて抗議すると後ろから高い声がちらほらとあがった。