転校生

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「あの神城が人になつくなんてなー…」 いつものあいつからは想像もできない。 無意識に手がタバコをしまってるポッケにいこうとしたがハッと気づき危ない危ない、とため息をついた。 「さて、あいつは転校生と会えたかね」 あいつがどんな反応をするか少し楽しみだ。 ─── ────── 「いない」 正門まで長い道のりを歩いてきたけど誰もいなかった。 「遅い。もう帰っていーかな」 一応20分待ってみたけど来る気配がない。 門の近くの大きい木にもたれながらじぃっと門を睨む。 木陰で多少は涼しいけど暑いんだけどな。 「チッ」 遅い。 暑い。 待ったは待ったからいいよね、と門に背を向けて歩きだす。 「あっ、あのっ!」 くるりと振り返ると息を切らして門に手をついてる男がいた。 「あの!俺、今日転入「遅い。」ぇっ…」 「チッ…遅いって言ってんの」 「す、すみません!寝坊してしまって…」 イライラと門をあけるボタンを操作し男をなかにいれる。 「あの、あなたは…」 恐る恐るといった様子で話しかけてくるけど無視する。 ほんとは関わりたくなかったんだし。 しかも来るの遅いし。 「………。」 黙った男をチラッと振り返って見てみるとあからさまにしょぼーんとしていた。 なんだこいつ。
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