いつもの俺たち

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季節は夏。 俺は暑いなか学校の正門の前で待ちぼうけしていた。 「遅いなぁー」 いつもならすでに来ている時間を過ぎている。 「……まぁ、いっかぁ」 遅いなら遅いでいいやー、とあいほんを鞄から取りだしアプリでゲームを始める。 特に好きーってわけでもないけど暇潰しにはちょうどいいよね、すぐに飽きるけど。 下校時刻は過ぎていて部活が終わった生徒達がちらほらと出てくる。 黙々とパズルゲームを進めていると 「柚希、遅くなってごめん!」 前から小走りでこちらへ駆けてくる男。 時計を見ると待って1時間はたっている。 「ごめん、生徒会の会議が長引いちゃって…あとあいほんも充電切れてて」 申し訳なさそうに眉を下げて謝ってくるのは国見悠夜、高2。 俺と違って高い身長に端正な顔立ち。 綺麗な黒髪に黒渕眼鏡で知的な印象。 まぁ実際に文武両道なやつなんだけどね。 「別にいーよ。気にしてない」 それより行こう、と先を歩く。 実際そんなに気にしなかったし待つのも苦じゃなかった。 それより悠夜がずっと申し訳なさそうにしてるほうがやだ。 「ごめんね、行こう」 そんな俺を察してか最後に1回謝り、いつも通りに戻る悠夜。
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