第1章     もう一つの偽らざる思い

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だから、 正直に白状すれば、   「まっ、 このままでもいいかな」 とも思ったものなのである。 決してそれを望んでいたわけでもないし、 そうは言ってもそこには虚しさも寂しさも あといろいろな感情も湧き起こってもくるのだが、 それと引き換えにと言うか、 「静けさのありがたさ」 もまた確かに感じていたのであった。 「また、 あんな苦しい思いをするのなら、 これはこれでいいかな」 という思いである。 「この状態が続けば、 私が親や妹弟の価値観や考え方の違いで、 悩んだりすることも苦しむこともないし、 これもありかな」 とも思ったりもしないのではないのだった。
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