第1章     もう一つの偽らざる思い

4/5
前へ
/32ページ
次へ
だから、 あえて自分からこの状況を破ろうとはしなかった のかもしれない。 そんなことも今なら思う。 私はこの5年間、 確かに居心地が良かったのである。 少なくとも、 以前より 悩み事や心配事が減った。 とにかく、 一人だけで苦しまなければならないことは 極端に減っていたのである。 いや、 それはもう皆無だったと言ってもいい。 だって、 私の隠し事、 つまり一人だけの胸に抱えていた悩みは、 そうするしかなかった苦しみは いつも自分の家族のことだったのだから・・・
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加