第1章    違和感の出現

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ただ、 そこには一つ大きな相違が生まれていたのも 本当のことだ。 「甘くないかっ」という言葉は母や父に対しても 言いたかった言葉なのだ。 そんなに甘やかしてどうするの? なぜ、 甘やかすの? そんな意味合いが隠されていた。 それは、 私の声に出来ない言葉だ。 どうしても、 どうしても伝えられない言葉。 親に伝えるのが怖くて怖くて どうしてもできない言葉。 それが、 「なぜ、 甘やかすの? 妹だけ・・・」 という言葉なのだ。 そう、 これが私の本心。 そうであることに気付いたのが 皮肉にもこのことがきっかけだったのである。 というよりも、 目覚めたという方が正しいだろうか、 それとも 呼び起こされたという方が 的確だろうか? そう、 私には幼いころから「自分は愛されていない」 という恐怖がつきまとっていたのだった。 そこから片時も離れられたことはない・・・
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