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「ねぇ、宮島行こ?」
愁ちゃんにそう言ってみた。
すると気怠そうにベッドで寝返ってやっとこちらを見てくれる。
「……なんで?」
なのに返ってくる言葉はこんなもんだった。
「行ったことないじゃん?」
うちから宮島までは比較的近い。
もう愁ちゃんと付き合って3年経つのに二人で行ったことはなかった。
「別に今日じゃなくてもいいだろ? 昨日も遅くて眠いんだよ」
そう言ってまたクッションに顔を埋める愁ちゃん。
「先週もそう言ってたじゃん! そんなこと言ってたらいつまで経っても行けないでしょ?」
私の声にくぐもった声で「ったく」と答えた。
そして、
「分かった、シャワー浴びるからちょっと待て」
愁ちゃんはやっとベッドから起きてくれた。
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