モノを書き始めたのは…家賃2万5千円が払えなくなったから。

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もう10年以上も前だっけ、僕が大学に入った頃… 三島由紀夫が腹を切ったのは 確かすぐそばの自衛隊駐屯地だよな。 スゲェ。関係ないけど。 僕はコンクリートの屋上に仰向けになって いつものように拾った新聞紙を被って 寝たふりしてたら 冷や汗とか鼻水とか涙とか混じって… 何か気持ち悪くなって 少しドキドキして怖くなってきて 新聞紙を脱いで目を開けたら 真っ青な空だったのでビックリした。 そしたら。 冬の終わりの不意の春風が ミサイルみたいに 僕の左の耳の穴に突っ込んで、 右の穴から突き抜ける。 カス! ソラ耳だ。 多分、三半規管あたりに穴が開いた。 へぇ、土地とか株とか上がってるんだ。 僕の軍手が掴んだままの新聞紙。 景気回復…とかの記事の下に、小さな3行求人広告。 「求む、レコード業界誌記者。経験不問」 レコードか… ロックスターとか、なりたかったなぁ。 カッコいいもん。 image=488706532.jpg
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