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「先月までニューヨーク支社でさ」
来なきゃ良かった。
高校の同級生との飲み会。
「あ、いいよ。経費で落ちるし。
今日、オレんちに泊まりに来いよ。
タクシー券使い放題だし」
翌朝、早く
単身者用の2LDKの友達の社宅から
僕はコソコソ逃げ出す。
「今日も、バイトあるし」
印刷工場の昼休み。
昨日の同窓会の酒とか
映画「2001年宇宙の旅」で
HALが壊れていくとことか
日比谷の野音でギターの弦が
切れたこととか。
仰向けに寝ころんだ僕の上空の
真っ青な大スクリーンに
極彩色の景色が流れていく。
「いるのに、まるでいないフリして
絵空事みたいに浮かんでいる
…そこのキミ」
僕は新聞紙を丸めた拡声器で
ソラに尋問する。
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