第4章 お母さんお姉さんの家に行く。

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「けんちゃん、かあかあ、の事忘れたんか。」と泣きながら言うと。 「かあかあ、・・。」啓太は、お母さんとの別れの辛さから、自分の心を守るために、お母さんのことを忘れようとしていたのでした。 お母さんに会って、お母さんの涙が、健太の心の奥にしまっておいた思いを外へ流し出したのでした。 健太は、お母さんをじ~と見つめています。 そして、次第に、表情が和らいでいくのが、周りの人達にも分かってきました。 そして、お母さんは、健太の所へ走り寄りました。 健太の事を抱きしめました。健太はお母さんに抱きしめられて、小さく微笑んでいます。 まだぎこちない様子です。 そして、お母さんの胸の中で 「かあかあ、ここにいる。かあかあ、ここにいる。」と言いながら、お母さんの背中に手を回していました。 お母さんは、健太をさらに抱きしめると、 「ごめんねえ。寂しい思いをさせて、ごめんね。もう離れへんでぇ。もうけんちゃんたちと離れへんでぇ。」と言うと、 お母さんは、泣きながら、子供たち二人を、抱きしめました。
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