15人が本棚に入れています
本棚に追加
「けんちゃん、かあかあ、の事忘れたんか。」と泣きながら言うと。
「かあかあ、・・。」啓太は、お母さんとの別れの辛さから、自分の心を守るために、お母さんのことを忘れようとしていたのでした。
お母さんに会って、お母さんの涙が、健太の心の奥にしまっておいた思いを外へ流し出したのでした。
健太は、お母さんをじ~と見つめています。
そして、次第に、表情が和らいでいくのが、周りの人達にも分かってきました。
そして、お母さんは、健太の所へ走り寄りました。
健太の事を抱きしめました。健太はお母さんに抱きしめられて、小さく微笑んでいます。
まだぎこちない様子です。
そして、お母さんの胸の中で
「かあかあ、ここにいる。かあかあ、ここにいる。」と言いながら、お母さんの背中に手を回していました。
お母さんは、健太をさらに抱きしめると、
「ごめんねえ。寂しい思いをさせて、ごめんね。もう離れへんでぇ。もうけんちゃんたちと離れへんでぇ。」と言うと、
お母さんは、泣きながら、子供たち二人を、抱きしめました。
最初のコメントを投稿しよう!