第1章お母さん病院へ行く

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お父さんは、仕事の帰りに必ず病院へ寄ってお母さんの顔を見て帰りました。 そして子供たちの事や家の話をお母さんに話していました。アルカリイオン水が体にいいと言うので毎日2リットルのペットボトルを買って持っていきました。 お母さんは、「お父さん私そんなに飲めないわよ。でもありがとう。その水のおかげで、本当に、身体が楽になったようやで。」と言うと優しく微笑みました。 お母さんの心の中は、笑顔とは反対に、嵐が吹いている様でした。 どうして私が癌になったの。 どうして…。 なんか悪いことしたかな私。 と自問自答するお母さんは、 りなと健太と一緒に早く暮らしたい。 それだけを思い続けていました。 しかし、夜になると、しんと静まりかえった病室では、お母さんの思考回路はやはり癌の事に集中するのでした。 もし、癌が残っていて、死んだらどうしよう。 子供たちを残して私は死ねないよ。
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