第2章 お母さん抗がん剤療法を受ける。

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お姉さんはそんな言葉しか妹にかける事が出来ない事にもどかしさを感じていました。 しかし誰が今の、このような妹にどんな言葉がかけられるだろうか。 ある日お母さんは、お姉さんに、 「どうして、私が癌になったの。そんなに悪い行いしてたのかな。かわいい子供と離れて暮らさなあかんなんて、こんなひどい仕打ち受けるなんて、辛すぎる。ねえ、お姉ちゃん、何でやろう。」と泣きながら、電話越しにお姉さんに訴えるのでした。 お姉さんは、 「あんた、何いうてんねん。癌や言うたかて、初期で見つかったんやろ。神さんに助けてもろたんやで、よかった思わな、なあ。 それに、今まであんた無理してきたんやから。今は、休みなさい言う事やで、そんなに頑張らんかって、ええよ・・。」優しく言う姉の言葉にお母さんは、 「うんお姉ちゃん、分かってるねんけどな。でもな、はよう元気になって子供たちの所へ帰りたいんや。 淋しい思いしてるおもたら、胸が苦しいなって来るんや。無理なんは、分かってるねんけど・・・。会いたいねん。子供らに、あいたいねん。りな、健太にあいたいねん。
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