第2章 お母さん抗がん剤療法を受ける。

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うちなあ。病気なおったら、もう二度とあの子らと離れへん。こんな病気になってようわかったわ。子供の大切さが。ほんまに子供が恋しいねん。 うちがおらんなって、どんだけ寂しい思いしてるんやろうと思うと、胸が苦しいねん。はよう会いたいわ~。」とお母さんは自分の思いのたけをお姉さんに話していました。 そうやって自分の思いを出さないとお母さんは、自分の心を保てなかったのです。 それに癌と言う病に打ち勝つためにも、自分の事をさらけ出して、自分で受け入れる様に持って行く事が病と闘う為に必要な行為だったのです…。 お母さんは、毎日子供たちの事を思い泣いていました。 子供と離れることの辛さと、自分が癌であることを受け入れなければならないつらさで、 心は深い、深い悲しみの海の底へと沈んでいくのでした。 抗がん剤療法が始まってから、お母さんは、トイレ以外は、ベッドの中で過ごす事が多くなりました。 食欲もなくなり、やせ衰えていくのでした。その為、点滴を行って栄養を取っていました。
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