第1章お母さん病院へ行く

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お母さんの目にはうっすらと涙が浮かんでいました。りなちゃんとけんちゃんの目にも涙が溢れだしていました。 しばらくは、何度拭いてもその涙は、止まりませんでした。 その日は、家族水入らずで過ごすことにしました。 お母さんのいつものあの笑顔がありません。 お母さんは、りなちゃん達の為に笑顔でいようと思っても、自分の命がどうなるのかわからない。 今この子たちを残してはいけないと言う思いで一杯でした。 それでも明日はやって来ます。 明日になれば、いやでも入院しなくてはなりません。 お母さんは、子供たちへの思いを胸にしまって、入院の準備をしました。 お父さんは、お母さんに対する言葉が見つかりませんでした。 どういえばいいのかわかりませんでした。 入院の準備をするお母さんの後姿を見つめるので精一杯でした。 お母さんは、これから子供たちと離れて入院することの辛さを、心の底から感じていました。
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