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今のおかあさんの心の中は、悲しみの涙で出来た池の中にいるようでした。
そして、その池の中は冷たくて寒くて、お母さんの体は凍えて震えていました。
次の日、近くの大きな総合病院に入院したお母さんは、卵巣がんの摘出術を受けることになりました。
お母さんは、自分が癌であることは、子供たちには、伏せていました。
まだ理解できないだろうと考えたのと、心配させたくないと思ったからです。
お母さんの中には、癌と死の恐怖とにおびえながらも、必ず子供たちの所へ帰ろうと心に誓っていました。
子供たちは、おじいちゃんとおばあちゃんに家に来てもらって世話をしてもらうことにしました。
初めの頃は、なかなかなれなかったけど、一緒に暮らしていくうちにだんだんと慣れていくようになりました。
おばあちゃんは、いつも、子供たちの事を褒めていました。
「かわいいねえ。かわいいねえ。いい子だねえ。いい子だねえ。」と言いながら世話を焼いていました。
おじいちゃんも、お母さんがいない寂しさを少しでも軽くしようとして、色々と冗談を言ったり、一緒に遊んだりしていました。
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