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哀れむような瞳で口をそそえる、先輩と中野さん。
え…
え……
「ええーーーーーーっ!!!????」
ざわざわとうるさい居酒屋に、私の声が吸い込まれていく。
あと少し私が押せば…?
そもそも、私は、本当に頑張ったのかな?
本当に、動いていた?
タイキからアクションを起こしてくれるのを当たり前みたいに待っていて、何もしてなかった…?
そんなことに、今更気づかされても…
放心状態の私に、知らん顔で楽しそうにお酒を飲んでいる先輩と中野さんを見つめる。
結局。
両思いだと思ってはしゃいだ日々もあったけれど。
でも片思いだったんだって気づいて、同時に諦めて。
だけど、今更実は両思いだったかも、なんて気づかされて。
でも、もう遅いんだ。
今からじゃ、どうにもできない。
もう、全部過ぎたこと。
自分で実らせることができなかった。
そんな私の恋は、
ニセモノ両想い。
*END*
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