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「ここは7本でいいんじゃん?」
「おっけー。」
「あ、ちょっと待って。」
そこで口を挟んだのは、私。
「ん?」
タイキ君がタブレットから顔を上げて私を見た。
「それだとここが青でかぶっちゃうから、6本のほうが良くない?」
「あ、そっか。なるほど。」
「じゃー6本ねー、引くよー?」
私の言葉に納得したタイキ君その他もろもろは、そのスペースに引く線の数を6本に変更してモノサシで幅を測り始めた。
それが、ユリの好きな人だと意識しだしてから、はじめて交わした会話だったと思う。
今まで意識したことがなかっただけに、少しワクワクしながら、この文化祭という機会を利用して私はひっそり彼のことを観察し始めたのだった。
顔はまあ、ずば抜けてとは言わないが、まあまあ整っている。
背も割と高い。
パソコンとかタブレットとか、電子機器に強いらしく、その方面ではクラスメイトに頼られているのをよく見かける。
サークルはバンドサークルに入っている。
よく演奏しているのを見かけるのは、多分ベースかな?
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