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そのラインが来たとき、正直本当に驚いた。
「音響ラインでーす、よろしくー。」
変な話だが、本当に忘れていた。
私の役職、音響には、タイキもいたということを。
そのラインは、タイキが私ともうひとりの女の子を招待してできたグループラインでの発言だった。
私が音響に立候補したのは、タイキとは関係ない完全なる私の意志だし、なによりユリがタイキを好きだと知る前だ。
こんな偶然もあるものかと、少しドキッとしてしまった。
これは、ユリに協力する絶好の機会じゃないか。
なんとなくそう思ったけれど、でも具体的にどんな風に協力したらいいかなんて、実際思い浮かんでいなかった。
なんとなく、そういう関係のふたりの間に首を突っ込めているのが、ただ単純に楽しかったんだと思う。
今思えば、本当に無邪気だったと思う。
このあと、自分が気を抜いたばっかりに、どんな展開が待っているかも知らずに――
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