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「しょぉがないわねぃ」
「ほんと!?」
僕は文字通り小躍りして喜びました。
そこが玄関ではなく、体育館だったら本場仕込みのブレイクダンスを披露して喜んでいたことでしょう。靴があればアイリッシュ・ダンスを披露していたかもしれません。
有頂天になった僕は慌てて階段を駆け登りました。
2階の自分の部屋から宿題を取り出そうとして、
「しまった」
と焦りました。
宿題は授業があまりにも簡単で退屈だったものだから、時間潰しにすでにやってしまっていたのです。
もちろん先生に当てられても授業は脳の一部で聞いていますから即座に答えましたし、何だったら早めに終わってしまいそうだったので、利き手ではなく左手で答えを書きましたが、それでも時間があまってしまったので、ついでに友達の分もやってあげました。
どうしよぅ
と僕は悩みました。
答えを消すのは簡単ですが、それはおねえちゃんに失礼かと思ったのです。
そんな些細なことで。
と呆れるかもしれませんが、その些細なことで大事なものが傷ついてしまうのが僕にはどうにも耐えられませんでした。
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