2人が本棚に入れています
本棚に追加
「暑くて困ってる人もいるんだから」
僕はおねえちゃんの言うことももっともだと思いました。抱き締められて僕自身あつくなっていたのです。
おねえちゃんの柔らかな胸が頭に当たっていました。
その感触が僕の身体中の血を煮込むのです。
熱くなった血が下半身に集まって僕は恥ずかしくて恥ずかしくて死んじゃいたいぐらいでした。
おねえちゃんは気付いていない様子でした。
もし知られたら僕はケーベツされるでしょう。
嫌われてしまうでしょう。
僕は持ってきた参考書で、必死に汚らしい僕を隠さなければなりませんでした。
「ねえ」
とおねえちゃんが言いました。抱きかかえているため、自然と唇が耳に近くなっています。吐息が灼熱のマグマのように感じられて僕は悶えました。
「身体が熱いよ。熱があるんじゃない?」
「ち、ちがっ」
おねえちゃんの顔が近づいてきます。
僕はギュっと目を強くつぶりました。
自然と身体が勝手に強張ります。
たぶんおねえちゃんは僕の熱を測るつもりだったのでしょう。しかし、僕はいけないことを期待してしまうのです。
僕はいけない子です。
もっとキレイにならなければおねえちゃんのコイビトにはなれない。
そう思うのです。
最初のコメントを投稿しよう!