試作①「何でもできる美少年の何でもしちゃうご奉仕日誌」

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 いつどこで誰を好きになったのか、おねえちゃんは聞いてもないのに勝手に話して聞かせてくれます。  もちろん僕のことではありません。  まったく人の気も知らないで、 と僕は話を聞くたびに、校庭を200周ほど走ってしまうのです。それでも発散できない時はまた違うことをします。  広辞苑のページを丸ごと覚えて食べてしまったこともあります。受験生がよく言うように食べたら不思議と覚えるものです(もっとも15ページでお腹いっぱいになっちゃいましたが)。  腹いせに書いた油絵が遠くスペインで何たら賞を受賞して表彰状が贈られてきたこともありました(送料がもったいないので絵はそのまま寄付しましたが)。  やるせなさを路上で発散していたら何故かみなさんがお金を置いて行きました。全部お札だったと思います。何たらレコードの人にしつこくつきまとわれたこともあります(警察に言いました)。  悲しい気持ちをダンスに込めて踊っていたら、ハニーズ事務所という人が小さな四角い紙をくれました。どうやら僕のことを女の子と間違えたそうです。「それでもいいキミはセンネンに1人の逸材だ」としつこいので、僕はまた警察に言いました。警察のお兄さんには「またお前か」と怒られてしまいました。
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