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それを見た僕は身体の中身がすっからかんになってしまったように寒々しく感じられました。
中学校では成績優秀・スポーツ万能と先生に褒められます。眉目秀麗ともてはやさてモテ期です。でもそんなの、おねえちゃんにこんな寂しい顔をさせるのなら何の役にも立ちません。
「おねえちゃん」
僕はタッパーを持ったおねえちゃんを呼び止めました。
かまってもらおうと思ったのです。
食後におねえちゃんと遊ぶなんていつもしていたことです。
ですが、もし断られたら、と思うといつだって恐ろしくなるのです。
「宿題おしえて」
僕は厚かましくも勇気を出して言いました。
おねえちゃんの表情が変わりました。
端を少し上げた唇が僕を不安にさせ、続いて尖らせた唇が、僕のしんぞうをドキドキさせました。
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