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ミヅキは生徒会長の言葉が理解出来ず、困惑していた。でもこの怒り方は異常だとミヅキは本能的に読み取った。
「あのぉ~、なんのことですかぁ?」
ミヅキには全く思い当たるフシがなかったので、凄む会長をよそにいつもの調子でへらっと笑ってみせた。
それが会長と副会長をさらに怒らせた。
会長も副会長ももっといえば生徒会全員がミヅキこと、親衛隊総隊長を疑っているのだ。
それものそのはず、今まで生徒会に気に入られた生徒は例外を認めず全員、制裁という名の陰湿ないじめにあってきたのだから・・・もちろん、親衛隊が行ってきた。
親衛隊が動くということは、親衛隊隊長が指示を出した事と取って間違いはない。
なので目の前でヘラヘラ笑っているミヅキが自分たちのことをおちょくっているようにしか見えないのである。
「とぼけるんじゃねぇ、てめぇの差金だろうが!!」
「あくまでとボケる気ですか・・・下衆」
(なに?本当に言ってることがわからない・・・・)
ミヅキは会長に胸ぐらを掴まれて壁に押さえつけられていた。
その横では副会長が蔑むような目で睨んでいた。
(僕が・・・なにしたっていうの?)
全く思い当たるフシがないミヅキは今の状況にとたんに悲しくなってきた。
会長は胸ぐらを掴んでいた手をほどいて少し離れたところで腕組みをした。
相変わらずこっちを睨んだままだ。副会長も、同じ調子だ。
「っ・・・グスッ・・・僕、ほんとうに知らないんですぅ」
耐え切れずに目に涙を貯める。俯いて大粒の涙を床へと落とした。
そんな親衛隊隊長を見て会長と副会長は眉を寄せた。
吐き気がするような顔をしてお互いの顔を見合わせた。そうとうに胸糞が悪いようだ。
「っ・・・んっ・・・・グスッ・・・」
(ボク、本当に何も知らないっ・・・どうしよう・・・)
ミヅキは困ったように訴えかけるように会長と副会長を見上げた。ミヅキは身長が160ないので必然的に二人を見上げる形となる。
涙で濡れた瞳で見ると会長と副会長は一層気持ち悪いものでも見たような顔をした。
(うっ・・・僕相当嫌われてる?僕じゃないのに・・・)
なんとか誤解をとこう。
信じてもらえないかもだけど、本当に僕じゃないんだし!
それに親衛隊のみんなに制裁はダメって言ったんだもん!
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