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「ん・・・・」
寒い・・・さむ・・・・あったかい・・・。
どっちだ、と心で自分に突っ込みながら目を開けてる。
すると目の前、おでこが使えるほど近くに小さな少年の顔が・・・。
「お・・・?」
誰だっけ?俺は首を傾げた。
少年はうとうととしていて完全に眠ってはいない様子。
「おーい」
と、声をかけてみる。
すると、「ぁぁ!!ごめんなさいっ!!」と、開口一番に言い、勢い良く毛布の中から飛び出て壁の方に行った。
ん?どこかで見たような・・・。
思い出したぞ。
俺は今朝外で少年を拾って家に連れ帰ったことを思い出した。
それから、と、ふと下を見ると、わお、何も身につけていない。
そうだった、人肌が一番あたたまると思って裸で抱きしめていたんだった。
「へっくしゅぃ!!」
しかし寒い。
俺はいそいそと脱ぎ捨ててある服をかき集めて素早く着た。
さて、少年には何を着せればいいのやら。
俺はクローゼットをまさぐった。
一人暮らしのため自分の服しかない。
しかも自分は体格がよくどれもこれも大きい服ばかり。
「しょうがない、これにしよう、」
俺は取り敢えず暖かそうな物を選び少年の方に向かった。
少年は相変わらず怯えている。
「サイズは合わないと思うがこれをきてくれ。取り敢えず。サイズの会
う服は後で調達しよう。」
そう言って服を手渡そうとしたが、膝を抱え込んだまま動こうとしない模様。
「はいばんざーい。」
「!?」
俺はそう言いながら少年の手をすっと上に持ち上げた。
驚いているその隙に服をばさーっとかぶせる。
サイズが大きい・・・大きいけど・・・
「これはこれでイイ!!」
「?」
ブカブカの服から覗く白い肌。
素敵ではないか。
俺はウンウンと一人頷いた。
その時、
『ぐぎゅううううぅうう』
「!!」
俺の腹が鳴った。
「俺の腹が空腹を訴えている。よし、なにか食べよう、さ、君もおいで」
俺はそう言うとさっと立ち上がってキッチンに向かった。
さーて何を食べようか。
実は料理はあまり得意ではない。
「コメ・・・ある。」
よし、おにぎりにしよう。
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